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恋愛小説

恋のメモ5:2分で読める恋愛小説ショートショート

ハートの花びら 恋愛小説
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合格指数

センター試験

大学受験を目指す私たちは年明けから入学試験と言う緊張を長きに強いられる。

「明日からセンター試験だね。」

「最後のセンター試験だね。」

「浪人できないとか煽られてるから緊張する。」

「浪人するしないは自分で決めれば良いんだよ。自分の人生だし。お金を払ってくれる親には聞かないとまずいけどね。」

そうこう言いながらセンター試験前日は過ぎて、試験は各々の力を発揮した。

翌日には自己採点をしながら、お互いの成績を話し合った。

「自己採点した?」

「俺はこれからだよ。昨日にしたの?」

「私もこれからだよ。」

クラスの子には前夜に自己採点を済ませすでに出願の検討をしている子もいる。

あまりの出来の悪さに泣き出す子もいる。思いの他できていてもそれを公言する人は少ない。

彼だけはあっけらかんと自己の成績を口に出している。もちろん、良くても悪くても。

「どうだった?」

私から聞いてみた。

「トータルは悪かったよ。苦手科目はできないから。センターはこんなもんですよ。」

「そうか、2次勝負できるって羨ましい。私はセンターである程度稼いでおきたかったから。」

「理科はどうだった?」

「どっちも48点。」

「すごいじゃん。俺たち完璧だよ。俺はどっちも75点。」

「え?私ワンミスだよ。理科基礎だから満点狙いだったのに。しかも75点で完璧って・・・」

「いいの。俺たち完璧だよ。神様は流石やなぁ。」

「もう。なんの話?」

結局、よく分からないまま、国立の出願はどこにするかの話になった。

彼は私と同じ大学を受けるみたい。センターで足切りされない限り受けるって言っているし、2次で絶対の自信がある彼が羨ましい。

かくいう私も絶対の自信があるわけではないが、センターがボーダーすれすれで、2次の学力もボーダーすれすれなのでチャレンジしない理由はない。

お互いの健闘を祈りながら、私大の受験に流れ込んだ。

私立大学

彼とはひとつだけ同じ私大を受けていた。合格発表の時は緊張した。ふたりで並んで合格発表をみたからだ。

「ネットの合格発表って怖いね。」

「うーん。怖いって言うより味気ない。」

「味は分からないよ。どっちから見る?」

「俺からでいいよ。」

「自信がありますね。」

「ねーよ。怖気付いても見るしかないからなぁ。」

そういって合格発表の時間をふたりで待って、彼が自分の受験番号を入力した。

「えー、いいなぁ。合格じゃん。」

「自分だって受かってるでしょ?俺が見たるわ。」

彼の携帯に私の受験番号が入力される。

「よっ、合格。」

「良かったぁ。」

「余裕だったんじゃない?」

「いやドキドキした。」

「一緒に成績開示に行くか?」

「これから?」

「国立に向けて気分上げたいじゃん。せっかく難関私大を受かったんだからさ。」

彼の気持ちも分かるので、その足で大学に向かい成績開示をしてみた。ネットで合格発表を見てその日に大学に行くなんて、何のためのネット発表だかと思いながらも少し気分は上向きだった。

「やばっ、私284点。」

「俺は220点。つーか、余裕過ぎでしょ!」

私は会心の出来で300点満点の284点。彼は3科目中2科目満点の220点。どっちがすごいんだかよく分からなかった。

「まぁ俺は2科目満点以外に合格の可能性ないからこれでいいんだ。」

「いやいや、入学試験で満点ってすごすぎでしょ?」

「俺たちだすごいんだよ。これからも離れられないね。」

このとき私は彼の言ったすごいの意味が分かっていなかった。

その意味を教えてもらったのは国立の2次試験の当日だった。

国立大学2次試験

少し寒さの緩んだ朝だった。

駅で彼と待ち合わせ受験会場に向かった。

私は電車の中でも必死に参考書を読んでいるのに、彼は窓の外を眺めている。

いつもの光景だ。彼は電車の中では勉強しない。勉強する姿をあまり見ない。

駅を出て大学を見た。いよいよラスト勝負の時が来た。

「受かるかな?」

「ふたりで受かるか、ふたりで落ちるか、かな?」

「なんでよ。ひとりだけ受かるってこともあるでしょ。一緒がいいとは思うけど。」

「んにゃ、俺たちたぶん一緒だよ。そういう結果が出てんじゃん。」

「そういう結果って?」

このとき初めて彼が言った“俺たちすごい”の意味が分かった。

48と75は婚約数。220と284は友愛数。

入学試験でこんな偶然は起きないって。

私たちは強く結ばれてるとしか思えないって。

そう言った彼を見て、

“大学合格する前に、彼に合格しちゃった。”

そう心で呟いた。

「まぁ間違いなくふたりで受かるな。」

そう言った彼が頼もしく見えた。

この日の帰り私たちはふたりの合格を確信した。その日の数学の問題に彼が説明した整数の問題が出たからだ。彼は試験の直前に私に教えてくれたのだ。知識だけじゃなくて成り立ちや規則性、そしてその面白みについて。

解説だけでなく、面白さまで伝えられるのは彼だけ。

そして、これから受ける受験生にアドバイスしたい。

無駄話は無駄じゃないよって。

参考書だけでは得られない知識があるんだよって。

諦めずに頑張れって。

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恋の手順

がんばれ装置153番のマーチ

この歳になっても曲が聞こえると、なぜか気になって見てしまう。

ピタゴラスイッチで流れる曲だ。デーモン閣下が歌っていること最近になって知った。

スタートは砂時計、花道通り筒を転がし、鉄球頼む。

おもりのボトル 缶詰軸にぐるんぐるん

トンカチからスチロール・・・

なんとここで止まったか。

よしもう一度最初から・・・

だがしかし・・・

いやなんと失敗、失敗、失敗の連続

次はうまくいってくれ、鉄球頼む、おもりのボトル

缶詰軸にぐるんぐるん。

なんとここで失敗、またまたここで失敗。

これはすごい失敗。今度はうまくいってるぞ。

なんとまさかの失敗、予想外の失敗、失敗、失敗、失敗の連続

心が挫けそう。

気が付けばもう54回目・・・

準備が大事あきらめるな・・・

次こそどうかきっと・・・

砂時計から始まる旅は、花道通り筒を転がし、

鉄球頼む、ドミノを倒し、おもりのボトル、ぐるんぐるん

トンカチからスチロール・・・

箱へリレー、進め、算盤コンベアー

あらゆる失敗乗り越えて・・・

装置153番のマーチ

すごい良い作品です。見入っちゃう。

失敗失敗失敗の連続~~~

心が挫けそうになりながらも、あらゆる失敗を乗り越えて成功する流れが素敵。

恋の階段をのぼる

好きになった。

一方的に話すだけなら片思いかもしれない。

時折話に返しがあるからなんとなく嬉しくなる。

嫌いな人には家の場所を教えたりしない。話の流れとはいえ、家の場所を教えてくれた。当然気になって行きたくなった。

偶然近くを通った時に家の前にいる姿を見かけた。声をかけようか迷ったが後ろ姿で自信がない。

近くを通ったのが偶然なのか、それとも。

自分でも分からなかった。そっちの方に用事があったのは事実だ。最短経路だとその道を通る。わざと避ける必要もない。

後ろ姿を見れただけでも嬉しかった。

好きな人は子どもが好きなんだと思う。小さい子の相手をするのは得意そうだ。

自分もそうであるのでなんとなく分かる。子どもに好かれる人が。

お互い純粋だから。

子どもの相手をしている姿を考えた。そう、きっと一緒に子育てをしてみたいのだと思う。

ふたりで子育てをしたらどうなるか?

明日はどんな話題で話しかけよう。そう思うようになった。

毎日うまくいくわけではない。うまく話題が合わなかったり、話しかけるタイミングがなかったり。

ただお互いに話しかけるタイミングを窺うようになったらきっと恋になる。

知り合いから、友人へ、そして恋人へ。

そのふたりの関係性が階段を上がるように一段ずつ上がっていくのをゆっくりと楽しむ。

失敗しても良いとは思わない。失敗はしたくない。

だからゆっくり一歩ずつ一段ずつ関係を気づいていく。

こんな話は興味あるかな?そう思っている今日は恋をしている。

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コメント

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