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恋愛小説

本命探し

ハートの花びら 恋愛小説
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本命

好きです。

あなたといると気持ちが落ち着きます。

あなたといると心が癒されます。

あなたといると安心します。

あなたといると会話が弾んで楽しいです。

あなたといると・・・

夢の中で何度も言えた言葉なのに、あなたの目の前に立つと唇が凍ります。

好きです。

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社交型(エクスプレッシングタイプ)

意見を主張し、感情表現豊かなタイプ。

明るくてトレンドに敏感。直感で行動しがち。

「今週末はどこに行く?」

「近場でどこか行こうか。」

そんなわけで金華山へ向かった。

この当時はまだ岐阜についてよく知らなかった。小さい頃に連れて行ってもらった記憶がわずかにあるくらいで、実際どんなところか覚えていなかった。

車で国道22号を北上し、165号に入って線路を過ぎて岐阜市内に突入。そのまま山を回り込むように岐阜公園の駐車場に入る。

立体駐車場の2Fに止めるが、コンクリートではなく鉄製の板のような足場だったので車が落ちるのではないかと心配になる。

螺旋の階段を下りて岐阜公園に向かうと無料の水族館があった。そう当時は公園内に小さい水族館があったのだ。

「これなんだろ?」

「水族館っぽいね。入ろうか。」

中に入ると中央にペンギンが、周りを水槽が囲っている。

「ちいさっ」

周囲の水槽はオオサンショウウオがメインなのか、見たことない魚?というか川の生き物が展示してあった。今思えばアクアトト岐阜の原型だったのかもしれない。

短い通路をぐるっと一周し水族館は終わった。無料で見れたのはラッキーくらいの感覚だった。

ロープウェイ乗り場に行き、アナウンスを聞きながら山頂へ。ロープウェイを降りるとリス村があった。知らなかったが面白うそうなのでふたりで入ってみた。

エサも購入するみたいだから、とりあえずエサを買って分厚い手袋をつけて中に入ってみた。

「うわっ」

「リス怖い。」

動物園で見るリスとは違って非常に野生的なリスだった。

エサを見ると周りから飛びついてくる。しかも爪が痛い。頭にも肩にも乗るので、とにかく痛い。

よく見ると、手袋のエサを食べてる最中に次のリスがおしりをつつき、押しのけて入れ替わり食べている。

「ちょっと怖かったけど、面白かったね。」

「あれはヤバい。」

岐阜城まで歩き、城の中に入ってみた。刀や兜の展示で男の子は楽しいのかもしれない。

城の最上階まで行って景色を眺めた。私の好きな景色だ。

長良川メモリアル競技場、長良川、伊吹山、晴れていれば遠くの景色がきれいに見れる。

そうこの景色がこれからも私の中で繋がっていく。

城を出て、博物館的な小さな室内に入った。お土産売り場なのかもしれない。

「帰りは歩いて降りてみようか?」

そう言った彼女はアクティブな女の子だった。

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友好型(エミアブルタイプ)

意見を聞き、感情表現豊かなタイプ。

調和を大事にする平和主義者。癒し系聞き上手なので、やや優柔不断。

彼女は私も友人も誰にでもやさしい。

今日は家でまったり過ごしている。

もちろん、お出かけもするのだが、外に出かけるのと家で過ごすのが半々くらい。

ひと昔前ならDVDをレンタルして部屋で見ていたかもしれない。

今はモバイル機器の発達で携帯やiPhoneで何でも見れる。便利と言えば便利だが、どうしても目が疲れる。

部屋にいながらふたりで携帯を眺めるのも変な感じがするがこれが今どきなのかもしれない。

ベッドの上でふたりで横に並んでおしゃべりしながら、動画を見ていた。

何でも話を聞いてくれる彼女に癒されている。

今日は次のお出かけ予定の話をしていた。

彼女といるときだけ、いつもと違った自分を感じる。ただ、無理をしたり、作っているわけではない。これが本来の自分なのだと思う。

ネット検索しながら行きたいお店のチェックだ。

「何か食べたいものある?」

「ここ良くない?」

「何のお店?」

「ケーキ屋さん。」

電車でも行けるなと思って行先をチェックした。

次の行先も決めて、布団でお互い体をくっつけていた。

とくに何か話すわけでもなく、ただお互いの体をくっつけている。

この時間が好き。

このまま癒され続ける。

私にとって彼女は癒し。

彼女にとって私は?

必要としてくれたら。

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行動型(ドライバータイプ)

意見を主張し、感情表現しないタイプ。

合理的で冷静。リーダー的存在になることが多い。

急なお誘いだった。ラインでやり取りはしていたが、会うことになるとは思わなかった。

会いたいと思ってくれたことは嬉しいが、ふたりで会うことには緊張した。

駅で集合し、ランチを楽しむ予定だ。

お店選びは難しい。雰囲気を大事にするか、食べるものを優先するか。

女の子慣れしていない私は決めかねていた。

結局、どっちにする?という形で選んでもらった。

駅ビルの最上階のお店で街を見下ろしながらパスタを食べた。食べ物に拘りはないが、好き嫌いが多い私は景色がきれいで嬉しかった。

強くない日差しに少し涼しい冷たい風がちょうどよかった。

ガラス張りに壁だが、天井がなく季節によっては心地よく、季節によっては使いづらいだろうなと思った。

ランチをしながら、この後どうしようか悩んでいた。そう思っているときに話をふられた。

「食べたらどこ行く?」

「うちにくる?それともどっか行きたい?」

「動物園か水族館が良い。」

彼女の提案に合わせて動物園に行くことになった。

自分でも悩みつつ、結局彼女に引っ張ってもらっている。

まだこれから変化するかもしれないが、今は彼女に導かれて後ろを歩いている。

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理論型(アナリティカルタイプ)

意見を聞き、感情表現しないタイプ。

考え深く、慎重。独特の意見を持ち、得意分野は積極的に話す。

典型的なリケジョだった。

プラネタリウム付きの科学館に来ている。プラネタリウムでも見るのかと思ったら、プラネタリウムはひとりの時に見るから今日は科学館デートらしい。

「デートで、プラネタリウムに来てプラネタリウム見ないのレアだね。」

「私は見ても良いけど、ふたりでいても話したりできないじゃん。」

「たしかに。」

前に付き合っていた女の子を映画に誘ったら、久しぶりにふたりで会うのに映画見てるだけなんて嫌だと却下されたことがあった。

プラネタリウムや映画は会う機会や話す機会があって初めて成立するデートなのかもしれない。と言うことは、プラネタリウムや映画のデートってちょっと贅沢なんだなって思った。

自分も理系だが、地学や生物には疎いので、科学館では彼女の方が知識が豊富だった。ついでに化学も得意ではない。

彼女の専門も特殊だが、俺の専門はもっと特殊だった。

面白いと思ったものは立ち止まって見ているとなんとなく解説の補足が入る。確かに分かりやすい。

ちょっと今日は知的なデートになったなと面白くなった。

そう彼女とのデートはいつも特殊なものになる。

それが唯一のものであるかのように。

数学用語でユニークってやつだ。

本命の彼女

恋は不意に訪れる。来るのではなく、近くにあるものにある日突然吸い寄せられる。

恋は落ちるもの。恋は落ちていくもの。

毎日の生活なのかで少しずつ距離が縮まり、会話が楽しくなって、お互いが会いたくなる。

打算や計画性はない。ただお互いが望むまま。

だから、一方が望むだけでは恋は恋愛に変わらない。

一方通行で好きになった時は、相手にすべてを任せる。友達までなのか、それより手前で終わってしなうのか。嫌われるのか、好きになってもらえるのか、付き合うのか。

意思表示することもあれば、意思表示なしに答えが出るときもある。

恋に落ちる理由はない。恋は理由なく落ちるものだから。

好きになった理由を探し始めると恋は終わる。始まりに理由はなくても終わりには理由がある。

会えなくなっても、好きな理由が分からないまま好きでいる。終わらない恋。

会えているうちでも好きな理由が見つかると恋は終わり始める。好きな理由の裏返しは嫌いな理由になりかねない。

今でもどこか好きか分からないまま、彼女が好きな私にとって、彼女は本命。

人を分析して自分と合う人を探すこともできる。でも、この人が相性が良いと感じた相手は分析結果が良好である。だから、自分は分析しない。自分の直感が合っているから。それに先に分析すると恋に落ちない。

恋がしたいわけではない。

彼女が欲しいわけではない。

あなたと結ばれたいの。

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